前回の続きです。
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(マ・クベ)
キシリア・ザビ配下のジオン公国突撃機動軍大佐。副官はウラガン、部下にはクリンク・バイス・ラング・ヘイブなど。
ジオン軍の地球侵攻作戦では資源採掘地帯オデッサの基地司令となり、資源採掘・輸送、基地防衛などを統轄していた。また占領地では、任務の傍ら骨董品蒐集に努めており、特に北宋期と推定される白磁の壺は彼の寵愛を集め執務室に多く並んでいる。また基地の防衛に努める一方、地球連邦軍の副将エルランに内通を促すなど優れた策謀家としても活躍した。このように軍人としての功績はあるが、計算高い性格の上に情が薄く、官僚的で政治的な駆け引きには長けるものの、任務達成のためなら手段を選ばない狡猾な印象が強い。ただしその策はしばしば詰めが甘く、また失敗した際の備えも疎かであった。
ガルマ・ザビの仇討ちのため地球に降下したランバ・ラル隊にも、一旦は十分な補給を保証するものの、政治的な理由(ランバ・ラルはキシリア・ザビと対立するドズル・ザビの部下)からその約束を反故にしたり、ソロモンから脱出して来た兵士たちを見捨てようとするなど、黒い三連星やバロム大佐から「前線に立つ兵士たちの気持ちが分かっていない」と批判を受けていた。また、独自の軍服(というより階級章付きの私服に近い服装)に赤いスカーフを着けたものを常用していることからも、その気質が武人ではなく(悪い意味で)文人に近いことがうかがわれる。
第16話・18話・20話・22話〜25話・36話・37話に登場。第16話の初登場シーンで、壺を指で弾き音色を楽しむ姿が描かれ、骨董マニアぶりを見せつける。
第18話では鉱山基地の一つを督励に訪れたキシリアと共に試作型モビルアーマー・アッザムを操縦してガンダムとの交戦を経験。特殊兵器アッザム・リーダーで高周波攻撃をかける。一旦はガンダムを出力低下に追い込むも、リーダーが破壊されるとあっさり敗退、キシリアの命で基地を将兵ごと爆破処分し(この時は基地の将兵を心配こそするものの、やむなく命令に応じていた様に見える)、その隙に辛うじて逃走に成功した。
第22話では、特殊部隊による「故意にレーダーだけを残した」破壊工作、ついでグフとドップの時間差攻撃でガンダム・ガンキャノンとホワイトベースを分断しての各個撃破作戦、さらにホワイトベースに「わざと無傷にしていたレーダー索敵によるドップからの避退」を許してメガ粒子砲陣地の射線上に誘い込み砲撃を浴びせる、という三段構えの周到かつ執拗な策で、ホワイトベースを大破着底させる鮮やかな知略を見せた。しかし、ホワイトベース隊の苦し紛れの偽装工作に引っかかり、止めを刺すのを怠っている。
続く第23話ではグフ+ドダイYS・ドップで編成されたクリンク隊に命じてマチルダ・アジャン中尉のミデア隊によるホワイトベースの救援阻止を謀り、空中からの猛攻でミデア隊だけでなくガンダムまで窮地に立たせる。しかし、ミデア隊が運んできたGファイター+ガンダム・ガンキャノンの反撃でクリンク隊は全滅、結局ホワイトベース隊は救援を受けて立ち直ってしまった。さらに、ドズル・ザビ配下のランバ・ラル隊には鉱山採掘の実態を知られないよう非協力的な態度で通し、第24話でキシリアが派遣してきた黒い三連星とも全く反りが合わず、結局彼らは独走の果てに撃破され、あたら優秀な人材と貴重なMS戦力を浪費してしまった。
地球連邦軍がオデッサ作戦を決行した第25話では、事前に内通していた連邦軍のエルラン将軍を裏切らせようとしたが、直前に内通は露呈、エルランの造反を頼って兵力を割いていなかった方面から防衛線を突破されてしまった。最後の切り札として、南極条約で禁止された核による攻撃を示唆し連邦軍を恫喝。レビル将軍が脅しに乗らないと見るや迷わず水爆ミサイルを発射したが、これはガンダムによって空中で弾頭部分を斬り落とされ、失敗に終わった。マ・クベ本人は(将兵の大半を置き去りにして)マダカスカルで宇宙へと脱出。その際に本国に送った十分な鉱物資源で「ジオンはあと10年は戦える」と豪語している。しかしこの後半年足らずでジオンは敗北し、彼の言葉はただの負け惜しみとなってしまった。ただ異説もあり、本国に送った鉱物資源はわずかな数量であり、残りはキシリアの突撃機動軍の拠点グラナダに隠蔽していたとも、彼が送った鉱物資源はデラーズ・フリートやアクシズひいてはネオジオンが抗争を行うときに用いた(この間13年)とも言われている。
その後、地球連邦軍によるチェンバロ作戦(ソロモン攻略戦)によって陥落の危機に陥ったソロモンに対する救援艦隊の司令となり、グラナダを発する。救援の途上、脱出してきたゼナ夫人(ソロモン基地司令ドズル・ザビの正妻)、ミネバ・ラオ・ザビ(同長女)の脱出ポッドを見捨てようとして、同乗していたバロムの諫言で渋々救出するも、ソロモンの救援という本来の目的はタイミングを逸して果たせずに終わる。しかしこの時既にホワイトベースが掃討作戦に参加することを見越していたのか、バロムをグラナダへ戻るグワジンに残して自らはチベに移り、ソロモン撤退兵力の吸収任務に就く。そこには後述されるシャア・アズナブルへの対抗意識と、中央アジア以来のガンダムとの因縁にケリをつけんとする彼なりの意地もあった。
そして第37話にて、テキサスコロニー近辺で専用の試作モビルスーツ・ギャンに搭乗。ニュータイプの片鱗を見せ始めていたアムロ・レイの搭乗するガンダムとの一騎打ちをした。この時マ・クベは小惑星を爆破したり、ガンダムを誘い込んだコロニーのエアロックに爆弾を仕掛けたり、コロニー内に浮遊機雷をばらまいたりといつも通り様々な策を弄した。これはガンダムやその武装を確実に消耗させる理にかなう行為であったが、例によって詰めが甘く、かえってアムロを怒らせて闘志を高めてしまった。この時、ゲルググに搭乗したシャアから加勢の申し出もあったが、キシリアに重用され始めていた彼を快く思っていなかったことから、これを断っている。
マ・クベはギャンで善戦したが徐々にガンダムにパワー負けし始め、ついにビームサーベル二刀流で左右から機体を切り裂かれ、戦死した。その際、「いいもの」と評するほど寵愛していた白磁の壷をキシリアへ献上するようウラガンに託す有名な最期の言葉を残している。しかし、その後行われた周辺宙域での戦闘によってウラガンがデラミン艦隊の全滅に伴い戦死したため、この望みすらも果たされなかった。
シャアはマ・クベの戦死を「付け焼き刃(のパイロット)に何ができると言うのだ」と嘲笑し、またキシリアもかつては重用した彼の死を少しでも気に掛けたような描写は一切無く、彼のテキサスコロニーでの死闘ばかりか、彼の人生そのものさえ全て無駄に終わってしまったと言えるだろう。
(ララァ・スン)
宇宙世紀0079年の一年戦争中に、シャア・アズナブルによって見出され、フラナガン機関で育てられたニュータイプの少女。ジオン軍少尉。
彼女のニュータイプ能力は非常に高く、サイコミュシステムを搭載したモビルアーマー「エルメス」によるオールレンジ攻撃により、宇宙要塞ソロモン攻略戦の後に集結していた地球連邦軍の艦船やモビルスーツを次々と撃破し、ソロモンの亡霊と恐れられた。
インド系で肌は浅黒い。額にはヒンドゥー教の女性がしているビンディが見られる。出撃時以外は宮崎駿アニメのヒロインが着用しているような裾の広がった黄色のワンピースドレスを着用している。そのため、キシリアに見咎められた事もある。なお、劇場版ではキシリア謁見時は軍服を着用している。
その後ガンダムとの戦いで、ニュータイプとして目覚めていたアムロ・レイと意識を共鳴させるも、割って入ったシャアを庇い、ガンダムのビームサーベルによりコクピットを焼かれ戦死する。その生と死の狭間のほんの一瞬、アムロとララァは意識を共振させ未来のビジョンを見る。それはアムロにとって希望でもあったと同時に悲劇でもあり、シャアはその意識の共有の外にあったまま、自分の行動が引き金になりララァを失う事となる。こうして、ララァは、アムロとシャア、二人の男の間に無二の女性として存在し続け、時に彼らを苦しめる「永遠の女性」となる。
シャアと出会う以前の彼女の経歴は劇中では語られていないが、台詞からは相当に荒んだ環境に置かれていたことが窺われる。彼女は、こうした境遇から自分を救い出してくれた(自分の価値を認めてくれた)シャアに対して恋愛感情を抱いており、アムロが評するように本来「戦いをする人ではない」彼女が戦場に臨んだのも、シャアの期待に応えるためであった。シャアも彼女の感情に応えていたようである。シャアはララァに対し「その能力だけを愛している」といい、ララァもそれを承知していた。
ララァに関しては後の記事でも紹介するので、今回はこれぐらいにしておきます。
(ランバ・ラル)
ジオン軍の士官で、階級は大尉。ザビ家の政敵であったジオン・ズム・ダイクンの遺臣ジンバ・ラルを父に持つ。直属の上官はドズル・ザビ中将。一年戦争以前からゲリラ戦を戦い抜いてきた根っからの職業軍人であり、その職業軍人ぶりをマ・クベの副官ウラガンから「戦馬鹿(いくさばか)」と評された。また、アムロ・レイに人間的成長のきっかけを与えた人物であり、彼が戦場で対峙した初めての名のある生身の敵でもある。パイロットとしての技量ばかりでなく、人間的な器量の大きさからアムロをして「あの人に勝ちたい」と言わしめた。
開戦当初から自機を青く塗装していたため、青い巨星の異名を持つ。これに関連したのかグフの正式量産型機体色は、他のモビルスーツと異なり、量産型機体に多く用いられる緑色では無く青色が採用されている。
父がザビ家の政敵・ダイクン派に属していたこともあり、ザビ家が牛耳るジオン軍では出世コースから外れた日陰者的な存在であったラルは、軍人として祖国の役に立てないことを心苦しく思っていた。そんな矢先、戦死したザビ家の四男ガルマ・ザビの仇討ちという任務をドズルに命じられる。彼は成功報酬としての自らの出世(二階級特進)が部下や内縁の妻クラウレ・ハモンの生活向上につながればと思い、その任務を引き受けることにした。
任務遂行のために巡洋艦ザンジバルで地球に降下したラルは、自らの部隊であるランバ・ラル隊を率いて新型モビルスーツ「グフ」を駆り、少ない兵力を率いてゲリラ戦を展開。幾度となくホワイトベースに奇襲をかけ、これを翻弄した。その最中に立ち寄った中立地帯の街・ソドンの食堂でホワイトベースを脱走中のガンダムのパイロット・アムロと出会う。その時のアムロの物言いから、彼を気に入るもアムロは連邦軍の少年兵であった。その後彼とは再び戦場で相見えることとなり、ガンダムに乗機グフを撃破される(19話)。更にマ・クベの策謀によって戦力の補充要求も握り潰され、部隊は窮してしまう。
そのため、ホワイトベースを拿捕すべくゲリラ屋の本領である白兵戦を挑むが、制圧中の艦内で偶然セイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)に出会う。ラルの父ジンバ・ラルはセイラ(アルテイシア)の育ての親だったこともあり、若き日のラルも幼少時の彼女と面識があった。ラルは自分の仕えたジオン・ダイクンの娘が敵である地球連邦軍にいたことに、「戦いの中にあって戦いを忘れる」ほどの衝撃を受ける。さらにセイラに一喝されてひるんだところをリュウ・ホセイによる銃撃を受け負傷。その後、部下も制圧されて作戦が失敗したことを悟り、ホワイトベースの第2ブリッジから手榴弾を抱いて飛び降り、自決。生粋の職業軍人らしい最期を遂げた。
12話での雷に関する台詞などから、以前にも地球を訪れた経験があると見られる(開戦前か開戦後かは分からない)。
つづく
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